ぼくは生きる

ぼくは生きる

大人が嫌い。自分も嫌い。そんなことを言っていても大人になっていく。自分と向き合っていく。これは避けられないんだと思う。

大人になれば

幼少期に抱いた僅かな期待

大人になればもっと生きやすくなるのかな

 

いつだってなぜか周囲とはうまくいかなかった

閉鎖的な田舎町はぼくには合わなかった

ただただ息苦しくて居心地が悪く

早く抜け出したいと願うばかりだった

 

世界が広がるたびに知る

ここにもぼくの理解者はいないこと

ここではないとまた別の世界へ歩み出す

でもそろそろ行き先が思い当たらない

 

ぼくはどこへ行けばいいんだろうか

どこにいけばぼくは普通になれる?

 

普通でありたい

そんな燻った小さな願いが叶うことはあるのだろうか

普通が何かわからないままぼくは求めてしまう

諦めたふりをしても諦めきれないまま

 

人の数だけ思考があり、違いがあること

そんなの当たり前だと思っていた

でも多数派は平然と少数派を否定する

 

ねえ、なんでぼくは傷つかないって思うの?

キミにとっては賞賛でも

ぼくにとってはそう聞こえない

そんなこと考えもつかないのかな

いつもそうやって悲しくなる

 

人が何気なく口にする賞賛のつもりの言葉に

何度となく苦しめられた

辞めてほしいといくら伝えても

誰もわかってはくれなかった

 

ひとまず諦めることにした

大人になるにつれ周囲も多様性を認めてくれると期待した

でもそんな期待は無駄だった

 

いつだって多数派を疑わない人はいる

それにいちいち傷つけられるのには疲れた

だからぼくは自分で自分を否定する

人の言葉による傷を隠すために

 

気がつけばぼくはボロボロで

何をしているのかわからなかった

だからぼくは期待をやめようと思う

誰にも期待すべきじゃなかったんだ

 

所詮他人同士

理解なんてし合えないのだから

もっと早く諦めてしまえばよかったんだ

そんな後悔もきっと無意味だ