ぼくは生きる

ぼくは生きる

大人が嫌い。自分も嫌い。そんなことを言っていても大人になっていく。自分と向き合っていく。これは避けられないんだと思う。

考え続けろ

考えろ、考えろ

 

そう自分に言い聞かせるのが癖だった

なんでもいいからひたすらに思考を回す

 

理由はかんたん

ぼくはうまく生きられないから

 

気を抜くといつだって

ぼくの思考は普通じゃない自分にたどり着く

 

どうやらぼくは普通じゃないらしい

幼少期から繰り返し聞かされたのは

ぼくを異質扱いする声

 

ぼくは普通になりたかった

でも普通が何かわからない

 

周囲が当然のように口にする感情も

好きも嫌いも何もかも

 

周りと共感できないことに

何度も何度も苦しめられた

 

どう足掻いても

周囲の話は理解できず

ぼくの話は理解されない

 

そんな感覚はいつだって

現実のもののように思い返される

 

だからぼくは言い聞かせる

余計なことを考えないために

普通じゃない自分から目を背けるために

 

自分と会話するのはまだ苦しくない

ぼくが普通じゃないことは見ないふり

 

考えろ、考え続けろ

ぼくの興味のその先を

ぼくの外側へ思考を巡らせろ

 

考えるな、考えるな

ぼくは理解されないということ

ぼくには理解できないということ

 

ぼくは多数派ではない

それの何が悪いのか

 

そんなことは今もわからない

でもひとつだけ知ったこと

 

ここは少数派では生きづらい

ましてや1人では尚のこと

 

仲間を探したこともある

それも徒労に終わるだけ

 

ならぼくは1人でもいい

理解者なんていらない

そう諦めたのはいつだったか

 

ぼくの願いはひとつだけ

誰も否定しないから誰もぼくを否定しないでくれ

ただただそれだけなんだ