ぼくは生きる

ぼくは生きる

大人が嫌い。自分も嫌い。そんなことを言っていても大人になっていく。自分と向き合っていく。これは避けられないんだと思う。

月は何も語らない

ある夜のこと。

ふらっとコンビニへと向かった。

酒でも買おうか。

そんなことを思いながら。

 

歩きながら空を見上げた。

月光がいつもより強く感じた。

このまま帰るのはなんとなくもったいない。

 

僕は歩き始めた。

月を眺めつつ歩く。

ぼんやりと辺りを見回す。

住宅街も静かで街が眠ったかのよう。

 

夜は好きだ。

夜は静かで僕を否定しない。

眠った街に僕は1人起きているみたい。

 

夜の散歩。

僕は静かに自分と対話する。

何も考えなくとも浮かんでくる。

心の奥に引っかかったままのもの。

それらと静かに向き合う。

 

僕は何度も同じ問いを繰り返してきた。

答えを探しながら歩く夜。

今日は何度目の夜だろうか。

いつだって僕は月を眺める。

見つからない問いの答えを求めて。

 

だけど、月はそこにあるだけだ。

僕に答えもそのヒントも与えてはくれない。

何も語らずただそこにある。

 

僕はまた考える。

自分の中に答えを探す。

いつも見つからないまま。

 

月を見ると何度だって思い起こされる。

自分の中に引っかかったままのものたち。

月を見て僕は過去と現在の間に立つ。

あの時の感情と現在からの視点。

その2つが入り混じって複雑な感覚。

 

この問いの答えはどこにあるのだろうか。

いつになれば見つかるのだろうか。

歩きながら僕は今日もそんなことを思う。

 

月よ、

いつまでもそこにいるのなら

そこで僕を見ているのなら

黙っていないで

何か言ってくれよ

 

そう嘆きながら僕はまた答えを探す旅に出る。

この問いの答えを得るまで終わらない旅に。

 

 

 

選ばなかっただけ

生きるのって難しい

ぼくには向いてない

そう何度も思った

 

生きるのって苦しい

とにかく疲れる

何度もやめたくなった

 

生きるのをやめる

それは死ぬってことか

無理だ、死ぬのは怖い

 

生きるのは難しいし

向いてない

やめてしまいたい

 

でも死ぬのは怖い

ぼくにはできない

死にたくない

 

ぼくには難しい

生きるって選択も

死ぬって選択も

 

だからやめた

考えることを

選択することを

 

ぼくは選ばなかった

生きることも

死ぬことも

 

そうしたら勝手に

決まったんだ

ぼくは生きるって

 

選ばなかっただけで

生きるを選んだわけじゃない

でも決まったんだ

 

だからぼくは生きる

きっと今日も明日も

こんな日々の繰り返しだ

 

それでいいのだろうか

いや、それでいいんだ

だって生きている

 

悲しむ人が少ないから

ぼくの死で悲しむ人が

誰かは分からないけど

 

生きるってことになって

悲しむ人は

きっと少ないでしょ

 

だからいいんだよ

これでいいんだよ

選べなかったけどいいよね

 

進むのも立ち止まるのも怖い

進まざる者は必ず退き、退かざる者は必ず進む。

進まず退かずして瀦滞する者はあるべからざるの理なり。

 

これは福沢諭吉の名言。(後半うろ覚えだけど…)

前進するか後退するかのどちらかで停滞することはできないといった趣旨の言葉。

 

そうなのかな

そうかもしれない

 

進み続けるのって難しい

だって未来はいつだってわからないから

ぼくらにできるのは予想することだけ

こうならいいな、こうなってほしいな

そんな期待した予想をたてて進んでいく

期待に裏切られることだってもちろんある

そうして傷を作りながら進んでいる

 

進み続けるのをやめたら?

確かに後退してしまうんだろうな

停滞することはできない、か。

そうだね

自分が立ち止まっても周りは止まらない

世界が進んでいく

気が付いたら自分は後退してるかも

やっぱり怖いね

 

立ち止まることも簡単じゃない

置いていかれる恐怖

先の見えない不安

何かしないとという焦り

ぼくは負の感情を見ないふりして立ち止まれるかな

難しいや、目を背けるのも

 

どうすればいいんだろうな

頑張って進み続けてぼくは傷だらけ

立ち止まろうとしたら負の感情が襲ってくる

傷を増やしながらも進むのか

負の感情に飲まれながら立ち止まるのか

ああ無理だ、わからないよ

もっと苦しくない道はないかな

 

生きるのって難しいね

進むのも立ち止まるのも怖いよ

でもきっと進むしかないんだ

 

怯えながらだけどゆっくりだけど

少しづつでいいから進めるように

時々この傷をいやしていいですか

 

臆病なぼくは今日も

速度を落としながら

少しづつ進んでいくよ

立ち止まるのは怖いから

 

苦しみの中でも前を向け

時々、とてつもない不安に襲われる

もう進めないよって

自分のこころが悲鳴をあげた気がするんだ

 

何もしていないことへの焦り

何かしなければならないと自分を責め

何をしていいか分からないと途方に暮れる

 

自分と向き合わなければと思う

そうして気づいた

自分は空っぽなんだって

 

過去を振り返ってみた

自分はどんな人間なんだろうか

でもよく分からない

 

どうやって生きてきたんだろう

何が好きで何が嫌いで

どうやって選んでここまで来たのだろうか

 

本当に自分で選んできたのか

自分が望んでここにいるのだろうか

もう昔のことは覚えていない 

 

思い出せるのは中学生くらいまで

親に認められたかった

親の反応が最大の判断基準だった

 

親が望むように生きてきたのかもしれない

気づくのが遅すぎた

親は親で自分は自分

 

親の顔色を窺って生きてきたけれど

親は私の人生に責任を負ってはくれない

私は私の道を自分の責任で歩くしかない

 

自分の道、自分の責任で

単純なことなのにとても苦しい

自分が分からないから

 

気がついたら私は

私のことをなんにも知らなかった

自分の感情にすらも鈍感だった

 

遅すぎたかもしれない

でも今からでもきっと大丈夫だよね

私は私で選んで進んでいきたい

 

親の顔色を窺って生きるのはやめる

親の望みを聞きすぎるのはもう終わり

親に認められなくても私は生きていける

 

親に見捨てられたらってずっと怖かった

でも、もう決めたんだ

私は親というしがらみを捨てて進む

 

親に見捨てられるかもと怯えるのではなく

自分から親を切り捨てるんだ

私は私でやるから勝手にしててくれと

大人なんて大嫌いだ

大人なんて大嫌いだ

 

あなたのためだから

本当にそう思ってるの?

僕のためってことにして

僕を思い通りにしたいだけ

本当は自分のためだ

 

あなたは大丈夫でしょ

あの子は心配だから

僕は大丈夫じゃないよ

でもそれじゃダメなんだね

僕は大丈夫なふりをする

 

あなたは要領がいいから

あなたは面倒見がいいから

あなたは勉強が好きだから

あなたは負けず嫌いだから

あなたは……

 

違う。どれも僕じゃない

すべてお前が望んだだけだ

そう望まれたから

そうあろうと努力しただけだ

本当の僕が見えていますか

 

あなたは頼ってくれないね

困ったら言いなさい

あれ?おかしいよ

僕を大丈夫だと決めたのは

僕じゃない。お前じゃないか

 

僕は大嫌いなんだ

あなたのためって言葉

僕を勝手に作ろうとする人

見栄や世間体にきれいごと

そんなものばかりの大人が

 

大人になんてなりたくない

そうずっと言い続けてきた

でもそれは無理なこと

気が付けば僕は

大人になっていく

 

子どもに戻りたい

叶わない望み

それならせめてこれだけ

あんな大人にはなりたくない

僕の小さな願い

強くなりたいんだ

強くなりたい

私の口癖

自分の弱さは

分かっている

 

本当の自分

見たくはない

目を背けてきた

向き合う強さを

私は持たない

 

あの人も嫌い

この人も嫌い

自分も嫌い

過去も今も

私は許せない

 

もしも私が

他人と自分と

向き合えたら

他人を自分を

許せたら

強くなれるのかな

強くあれるのかな

 

分からないけど

ただただ思うんだ

強くなりたいと

 

でもさ、強いって

なんなんだろうね

どうなったら

私は強いって

思えるのかな

 

向き合う強さ

許す強さ

きっと他にも

あるはずだよね

 

私は知りたい

自分の思う

強さとは何か

強くなるとは何か

自分の望みを

 

大学生

大人になりたい

子どもに戻りたい

どちらも口にする

 

大人になりたい

大学生ってまだまだ子どもみたいだな

もっと堂々とカッコよく

大人になりたいよ

そう思ってた

 

子どもに戻りたい

大学生ってもう大人だよね

難しいこと考えずに遊んでいられた

子どもに戻りたいな

そう思うんだ

 

大学生ってたぶん

大人で子ども

どちらでもあってどちらでもない

せめてどちらかであれたらいいのにな